2016年5月30日 | 145 アクセス | コメントはありません

『しりべし酒すき肴すき通信』(6)

待ちわびた初夏の味覚とさわやかな風を求めて、

後志の西海岸をドライブしてきました「朝里の小虎」です。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

5月の寿都はこの時期旬となる「寿かき」の出荷シーズンを迎えます。

カキといえば、現在では養殖の技術が発達し、通年出荷している場所もありますが、

通常、「R」の付く月である秋から冬にかけて旬を迎える食材というイメージがあります。

しかし、寿都が位置する日本海側では、冬の海水温が他の産地と比べると低くなるため、

カキの成長が遅くなってしまい、春の気温上昇と栄養豊富な川の水が海に流れ込む

5月以降に旬を迎えるという珍しいカキです。

私は「寿かき」を食べることが人生の楽しみの1つで、

毎年この時期に寿都まで出かけています。

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国道229号沿い、蘭越町と寿都町の境界に位置する磯谷地区から寿都へ向かい、

美谷漁港付近にかけて、各水産会社等の直売所が建ち並んでいますが、

今回は美谷にある「カネショウ佐藤漁業」の直売所へ入ってみました。

この日は5月にもかかわらず、気温25度以上の夏日を迎えており、

たくさんのお客さんがカキやホタテを買い求めていました。

寿都町ではカキの値段を一定にしているとのことで、

ここでも「特大」120円、「大」100円、「中」80円となっています。

この日はすでに「大」サイズが売り切れており、

私は「特大」サイズのものを買いました。

殻の長さが15センチくらいから20センチ近くもあり、

外見でもかなり大きい印象を受けます。

以前から「寿かき」を買い求めていましたが、

こんな大きな「寿かき」は初めて見たという感想です。

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(写真では違うお店で購入した「ハマグリ」が写っています。

10年以上前に岩内で食べた地元産ハマグリが印象に残っており、

産地を確認すると内地産ということでしたが、

おいしそうだったのでついつい購入しました。

ちなみに5個入り800円でした)

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カキを購入し、次に向かったのは道の駅「いわない」です。

ここでは、私のお気に入りの地ビール「岩内地ビール」を購入します。

開拓使時代に岩内で野生のホップが発見されたことがきっかけとなり、

北海道はビールを醸造する上で適地であると判断され、

札幌においてビールの醸造が始まったということです。

そんな北海道ビール誕生のきっかけの地(無理矢理ですね・・・)岩内の

これまた地元の海洋深層水を使用した地ビールは、

比較的ライトな感覚で、どのような食材にでも対応できるような味わいです。

後志の西海岸を走り抜け、肴のお供にどうしても日本酒が欲しくなった私は、

最後に田中酒造の本店に立ち寄りました。

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新聞に掲載されていたのですが、2015年度全国新種鑑評会で

田中酒造の「宝川」が見事金賞に選ばれたとのことです。

後志のお酒が全国規模の品評会で賞を獲得したということに、

わが町の自慢が増えたようで、なぜだかうれしい気持ちになりました。

店に入ると、相変わらず店員さんの素敵な笑顔で迎えられ、

「いつもありがとうお父さん」というお酒を勧めてくれました。

このお酒は純米吟醸酒で、辛口のすっきりしたタイプとのことです。

また現在「お父さん酒」のキャンペーン中らしく、クジなども引かせてくれ、

チビ虎たちも大喜びの様子でした(クジで酒粕をいただきました)。

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酒と肴がそろったところで、さっそく「寿かき」を生と酒蒸しで

食べてみることにします(上が生ガキ、下が蒸しガキ)。

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ご覧のとおり実入りもよく、食欲が一層そそられます。

まずは生ガキを一口。磯の強い香りとカキ特有の滋味が口の中に広がり、

たまらず日本酒を一杯。カキのうま味とお酒のうま味が融合し、

思わず顔がにんまりしてしまいます。

次に蒸しガキ。こちらは熱を加えたことにより、身が引き締まり、

プリッとした口当たりとまろやかになったカキの滋味がたまりません。

お酒の感想としては、思ったよりも辛くなく、むしろうま味があり、

素材をうまく引き立てられるタイプと感じました。

カキのうま味との相性はバッチリで、引き立て役に持ってこいといったところです。

今度は地ビールで一口。

このビールは地ビール特有の重い感じが少なく、

前述したとおり、比較的ライトな感覚で飲めるタイプなので、

こちらもカキの引き立て役として、おいしくいただけたという感想です。

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「寿かき」は5月から6月までの限られた期間のカキです。

私の感想として、年々養殖手法などのノウハウが増してきて、

「寿かき」は確実においしく進化しているものと感じています。

他の産地のカキと食べ比べてみるなんていうのも、おもしろいかもしれません。

みなさまもぜひ期間限定の「寿かき」を思う存分堪能し、

暑い日には海の恵みである海洋深層水を使用した冷たい地ビールでぐいっと、

そして父の日には「いつもありがとうお父さん」で一杯!

なんていうのはいかがでしょうか。

酒と肴MEMO】

「寿かき」 特大120円、大100円、中80円(※寿都町内同一価格)

カネショウ佐藤漁業(寿都町)で購入

「岩内地ビール」 330mlで432円

道の駅いわない(岩内町)で購入

「いつもありがとうお父さん(純米吟醸酒)」 720mlで2,000円

田中酒造本店(小樽市)で購入

※すべて税込み

(おまけ)

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「パ酒ポート2015年度版」スタンプラリーにて、

全道23酒造所全制覇を達成しました!

2015年度版の酒造所は比較的地域が集中していたこともあり、

計画的にスタンプ収集できました(じゃがいも焼酎の清里町、

国稀の増毛町などはなかなか遠く感じましたが・・・)。

2016年度版は北海道新幹線開業記念の「青函パ酒ポート」として、

参加酒造所等で発売されています(1冊500円)。

今回初めて北海道を飛び越え、青森県が対象となっており、

また、後志、渡島、檜山の酒造所が参加しています。

難関度がかなり上昇し、奥尻ワイナリーや下北半島の酒造所なども含まれており、

「これ本当に達成できる人いるのか?」というのが、正直な感想です。

我が家のチビ虎たち(特に息子)が「今年は青森行くぞ!」なんて

はしゃいで大変ですが、新幹線も開業したことですので、

ちょっと行ってみようかなんて野望を抱いています。




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